遺言書作成にかかる費用はいくら?遺言書の種類と依頼する専門家別に解説
遺言書を作成したいが、専門家に依頼すると高額なのではと気になっている方も多いのではないでしょうか。遺言書は適切に作成しないと、無効になってしまったり、相続トラブルの原因になったりすることもあります。
この記事では、遺言書の種類ごとの費用相場や、専門家に依頼した際の料金の違い、弁護士に依頼するメリットを解説します。遺言書が原因の相続トラブルを防ぐために、費用相場を理解し、自分にあった方法を選ぶ参考にしてください。
遺言書の種類と作成にかかる費用相場
遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があり、それぞれ作成方法や費用が異なります。
自筆証書遺言の作成費用
自筆証書遺言は、遺言者が自分で手書きする遺言書です。
自分で書くだけですので、費用をほとんどかけずに作れます。もし、法務局が遺言書の原本を保管してくれる遺言書保管制度を利用する場合は、1件3,900円の手数料が発生します。
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公正証書遺言の作成費用
公正証書遺言は、公証人が遺言内容を確認して公証役場で作成するものです。法的に強い効力があり、無効になるリスクが低い遺言書となります。
公証人と証人2名の立会いのもと作成されるため、形式の不備も少なく、裁判所の検認手続きも不要です。相続財産が多い場合や相続トラブルを予防したい場合に適しています。
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秘密証書遺言の作成費用
秘密証書遺言は、遺言書を封印した状態で公証人と証人2名に提出し、その存在を証明してもらう方式の遺言です。遺言書の内容自体は公証人が確認しません。公正証書遺言のような公的な証明がなく、開封後に内容の不備が判明する可能性があります。
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遺言書作成の依頼先による費用の違い
遺言書は自分で作成することも可能ですが、専門家に依頼することで、より確実に法的に有効なものを作ることができます。依頼する専門家によって費用が異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。
遺言書作成の依頼先の種類
遺言書作成を依頼できるのは主に以下の3つがあります。
- 弁護士
- 行政書士・司法書士
- 銀行・信託銀行
それぞれの特徴や費用の違いを理解し、目的に合った依頼先を選ぶことが大切です。
弁護士に依頼する場合の費用相場
法律の専門家としての視点で、法的な要件を満たした遺言書を作成してもらえます。相続トラブルを未然に防いだり、遺言執行者としての役割も担えるため、特に相続が複雑な場合や紛争リスクがある場合におすすめです。
弁護士への依頼費用は、弁護士ごとに自由に設定できるため、一概に費用相場を設定するのは難しいです。複雑さや手間によって金額は大きく異なるため、事前に弁護士に相談するとよいでしょう。
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行政書士・司法書士に依頼する場合の費用相場
行政書士や司法書士も遺言書の作成ができます。しかし、弁護士とは異なり代理権がないため、トラブル対応や裁判所での手続きはできません。ただし、司法書士においては、簡易裁判所での140万円以下のみの代理業務が可能です。
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銀行・信託銀行に依頼する場合の費用相場
多くの銀行や信託銀行では、遺言信託というサービスを提供しています。このサービスは、遺言書の作成支援だけでなく、保管や遺言執行まで一貫したサポートを行っています。
資産が多い方や相続手続きを円滑に進めたい方に適していますが、その分、高額な費用が必要です。
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遺言書の作成を弁護士に依頼するメリット
弁護士による遺言書作成は、単に法的に有効な遺言書を作成するだけでなく、相続トラブルの防止や円滑な遺産分割にもつながります。
相続人が多い場合や、特定の相続人に集中して相続を考えている場合は、弁護士のサポートを受けることがおすすめです。ここでは遺言書の作成を弁護士に依頼するメリットを解説します。
法的に有効な遺言書を作成できる
弁護士に遺言書作成を依頼することで、法的に有効な遺言書を残すことができます。
遺言書は、民法の規定に従って適切に作成しなければ、法的効力を持たない場合があります。特に自筆証書遺言では、形式の不備が原因で無効になるケースも少なくありません。遺言内容が法的な要件を満たして、確実に実行されるような遺言書の作成ができるでしょう。
また、財産の分割方法や評価額などの適正さについてもアドバイスを受けることができるため、相続トラブルを未然に防ぐことにもつながります。
相続トラブルを予防しやすくなる
弁護士が遺言書の作成をサポートすることで、相続人全員が納得しやすい内容に仕上げることが期待できます。そうすることで、相続トラブルも未然に防ぎやすくなるでしょう。
遺言書の内容がわかりにくい表現になっていると、相続人同士で解釈の違いが生じてしまい紛争に発展することもあります。あらかじめ、遺留分を考慮した遺言内容にすることで、特定の相続人が不満を持ち、遺留分侵害額請求を起こすリスクを減らせられるでしょう。
家族間の意向を整理しながら作成することで、親族間の関係悪化を防ぎ、円満な相続を実現しやすくなります。
遺言執行者としての役割も担える
弁護士は遺言執行者として指名されることで、遺産分割に関わる手続きを相続人に代わって進めることができます。
相続手続は複雑であり、実際に遺産を分割するには不動産の名義変更や銀行口座の解約や分配など、多くの手続きが必要です。
遺言執行者を弁護士に任せることで、
- 相続人が手続きを負担せずに済む
- 法的トラブルが発生した際にも対応できる
- 相続財産の適切な管理ができる
このようなメリットがあり、複雑な手続きをしなくて済みます。
弁護士は代理権がある
行政書士も遺言書作成を行うことはできますが、弁護士とは代理権の有無という点で違いがあります。代理権を有する弁護士は、相続トラブルが発生した際に、依頼者の代理人として交渉や訴訟の対応をすることができます。
一方で、行政書士にはこの代理権がないため、裁判や遺産分割協議の交渉が必要となった場合は、弁護士に依頼しなければなりません。
遺言書の作成は明石本町法律事務所にご相談ください
遺言書は、遺産の分配を明確にすることで相続トラブルを防いでくれます。しかし、法律の要件を満たしていないと無効になる可能性があるため、正確な作成が求められます。
明石本町法律事務所では、弁護士が法的に有効な遺言書の作成をサポートし、相続人の意向を整理しながら最適な内容をご提案します。公正証書遺言や遺言執行者の指定なども対応可能ですので、お気軽にご相談ください。